俺様副社長に娶られました
「創へ……さ、き、……ですっ」
「ん?」


余裕なく息を吸う。
動きのスピードを緩やかにした創平さんの顔を見上げ、荒く呼吸をした。


「好きです……創平さん……」


痛くて恥ずかしいけれどもどうしても今伝えたくて、我慢できなかった。


「焚きつけんなよ」


すると、うんざりとした声で頬を僅かに紅潮させた創平さんは、顔を背ける。


「はあ……参った」


という観念したような独り言が、ようやっとなボリュームで耳に届いた。


「沙穂」
「ん、あっ」
「可愛い」


創平さんは手加減なしの熱いキスを落とす。

次第にあらゆる痛みは和らぎ、意識がとろんとしてきて、身体中が溶けたように頭が働かなくなってくる。
熱く、感覚が研ぎ澄まされ、せきたてられて上り詰めるような、体の深いところから押し上げてくるような初めての快楽にわたしは両目を強く閉じた。


「俺も好きだよ」


耳元で囁かれた、熱が籠もった創平さんの声は、頭の中で雑音などなにも混ざらないとても澄んだクリアな音で響いた。

この先ずっと心の中に大切に仕舞っておいて、時々ニヤニヤしながら思い出したり、心の寄る辺にしたい極上の言葉だった。

創平さんのたくましい胸に抱かれながら、わたしはどんどん溢れてくる涙を堪えきれなかった。





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