俺様副社長に娶られました
「創平さん……買って来てもいいですか?」
沙穂は窺うような上目遣い気味で俺を見上げる。
昨日のあの、苺食べすぎ問題はどこへいったんだ……。
と、少し不満に思ったが、こんな風に乞うような目で見られてはダメだなんて言う気も失せる。
「ああ」
「では、わたしすぐに買って戻って来ますので、創平さん、待っててくださいね!」
言い切らないうちに沙穂は俺の返事も聞かず、コーヒーショップに向かって走り出した。
その後ろ姿を呆然と見つめていると。
「あの、ご挨拶がまだだったと思って。俺、布施泰生といいます」
俺と一緒に取り残されたガキが、探るような目をこちらに向けて言った。
念のため、牽制しておくか。
「天川創平です。妻がいつもお世話になってます」
「沙穂ちゃんとは、小さい頃から幼なじみみたいな感じで、すごく可愛がってもらってました」
「……へえ」
無意識で俺は目を細め、小憎たらしいガキを見る。
相手は一瞬気圧されたように首をすくめた。
「年季なら、こっちだって負けるつもり無いけど」
って。なに子ども相手にムキになってるんだ、俺は。
「え、あーーー。そうなんですか?」
相手はぽかんとしてから間延びした声で言う。
「天川さんも、昔から沙穂ちゃんを……?」
独り言のように呟く間、俺は早くひとりにしてくれ、と心底願った。
「話せて良かったです! 沙穂ちゃんに、またねってお伝えください」
しばらく考えるように閉口していたかと思ったら、ガキは吹っ切れたような顔つきで俺に言った。
笑顔で頭を下げ、コーヒーショップに向かって小走りで向かう。
……張り合ってしまった。
柄にも無く無性に決まりが悪い。
沙穂はまだかと思い、コーヒーショップの前まで歩いて来たとき、立ち止まってキョロキョロしている若い女性と目が合った。
「あの、すみません」
「はい」
話しかけられたので返事をし、ちらりと店内を一瞥すると、カウンターで沙穂がちょうど会計をしている姿が見えた。
沙穂は窺うような上目遣い気味で俺を見上げる。
昨日のあの、苺食べすぎ問題はどこへいったんだ……。
と、少し不満に思ったが、こんな風に乞うような目で見られてはダメだなんて言う気も失せる。
「ああ」
「では、わたしすぐに買って戻って来ますので、創平さん、待っててくださいね!」
言い切らないうちに沙穂は俺の返事も聞かず、コーヒーショップに向かって走り出した。
その後ろ姿を呆然と見つめていると。
「あの、ご挨拶がまだだったと思って。俺、布施泰生といいます」
俺と一緒に取り残されたガキが、探るような目をこちらに向けて言った。
念のため、牽制しておくか。
「天川創平です。妻がいつもお世話になってます」
「沙穂ちゃんとは、小さい頃から幼なじみみたいな感じで、すごく可愛がってもらってました」
「……へえ」
無意識で俺は目を細め、小憎たらしいガキを見る。
相手は一瞬気圧されたように首をすくめた。
「年季なら、こっちだって負けるつもり無いけど」
って。なに子ども相手にムキになってるんだ、俺は。
「え、あーーー。そうなんですか?」
相手はぽかんとしてから間延びした声で言う。
「天川さんも、昔から沙穂ちゃんを……?」
独り言のように呟く間、俺は早くひとりにしてくれ、と心底願った。
「話せて良かったです! 沙穂ちゃんに、またねってお伝えください」
しばらく考えるように閉口していたかと思ったら、ガキは吹っ切れたような顔つきで俺に言った。
笑顔で頭を下げ、コーヒーショップに向かって小走りで向かう。
……張り合ってしまった。
柄にも無く無性に決まりが悪い。
沙穂はまだかと思い、コーヒーショップの前まで歩いて来たとき、立ち止まってキョロキョロしている若い女性と目が合った。
「あの、すみません」
「はい」
話しかけられたので返事をし、ちらりと店内を一瞥すると、カウンターで沙穂がちょうど会計をしている姿が見えた。