俺様副社長に娶られました
「沙穂は今のままでいいんじゃないか?」
「でも……。少しでも、創平さんに釣り合う女性になりたいので」
昨日から沙穂はなぜ越谷とかいう親父の秘書を気にするのか、俺は皆目見当もつかなかった。
彼女は秋から留学するとかで退職する予定。その話を聞いたとき、そういや一度誘われたことが合ったけど、俺はほかの女に殊更興味がないので今の今まですっかり失念してたほど。
だけど。
沙穂が絡むと弱いんだ。
昨日から、もしかして。
妬いてくれた……とか?
「そ、創平さん! どうして笑ってるんですか⁉」
沙穂はムッとして頬を膨らませるけれど、自分でも気づかないうちに勝手に頬が緩んでいたんだから仕方ないだろ。
ほかの女のことなんて考える余地もないくらい、俺はこんなにも沙穂をそばに置くたために必死で、カッコ悪いのに。
これ以上欲深くさせないで欲しい。
俺を甘やかさないで欲しい。
ますます支配欲が強くなるだろ。
「苺食べすぎた、っていう言い訳は、今夜は禁止な」
俺は沙穂の耳元で囁く。わざと低く響くように、吐息を交ぜて。
すると、ビクッと肩を上下させた沙穂は、反動で中身が溢れそうになったカップのストローの口を付ける。
「い、言わないです……今夜は」
そして、恥ずかしそうに黒目を左右に振って、俺を見上げる。
「創平さんの、好きにしてもらっていいです、よ……?」
……なんなんだこの色気は。いつの間に覚えたんだ。
俺の手には負えないかもしれない……。
「飲んだらさっさとダイニングテーブル見に行くぞ」
これ以上沙穂を見ているとここが公衆の面前だということを忘れて冷静じゃいられなくなりそうで、俺はあたかも急いでいるかのように腕時計を確認する振りをして踵を返し、沙穂に背を向ける。
「はい、ペロッと食べちゃうのでちょっと待ってくださいね! なんだか創平さんと毎朝一緒に向かい合って、顔を見て食べれるんだなって思ったら、すっごく幸せです」
……とんだ殺し文句だ。俺を殺す気か?
ベンチに座り、満面の笑顔を浮かべて言った沙穂の、子どもの頃から変わらない素直さと、大人の色気との混在に調子を狂わされてばかりの俺は、がっくりと項垂れた。
「でも……。少しでも、創平さんに釣り合う女性になりたいので」
昨日から沙穂はなぜ越谷とかいう親父の秘書を気にするのか、俺は皆目見当もつかなかった。
彼女は秋から留学するとかで退職する予定。その話を聞いたとき、そういや一度誘われたことが合ったけど、俺はほかの女に殊更興味がないので今の今まですっかり失念してたほど。
だけど。
沙穂が絡むと弱いんだ。
昨日から、もしかして。
妬いてくれた……とか?
「そ、創平さん! どうして笑ってるんですか⁉」
沙穂はムッとして頬を膨らませるけれど、自分でも気づかないうちに勝手に頬が緩んでいたんだから仕方ないだろ。
ほかの女のことなんて考える余地もないくらい、俺はこんなにも沙穂をそばに置くたために必死で、カッコ悪いのに。
これ以上欲深くさせないで欲しい。
俺を甘やかさないで欲しい。
ますます支配欲が強くなるだろ。
「苺食べすぎた、っていう言い訳は、今夜は禁止な」
俺は沙穂の耳元で囁く。わざと低く響くように、吐息を交ぜて。
すると、ビクッと肩を上下させた沙穂は、反動で中身が溢れそうになったカップのストローの口を付ける。
「い、言わないです……今夜は」
そして、恥ずかしそうに黒目を左右に振って、俺を見上げる。
「創平さんの、好きにしてもらっていいです、よ……?」
……なんなんだこの色気は。いつの間に覚えたんだ。
俺の手には負えないかもしれない……。
「飲んだらさっさとダイニングテーブル見に行くぞ」
これ以上沙穂を見ているとここが公衆の面前だということを忘れて冷静じゃいられなくなりそうで、俺はあたかも急いでいるかのように腕時計を確認する振りをして踵を返し、沙穂に背を向ける。
「はい、ペロッと食べちゃうのでちょっと待ってくださいね! なんだか創平さんと毎朝一緒に向かい合って、顔を見て食べれるんだなって思ったら、すっごく幸せです」
……とんだ殺し文句だ。俺を殺す気か?
ベンチに座り、満面の笑顔を浮かべて言った沙穂の、子どもの頃から変わらない素直さと、大人の色気との混在に調子を狂わされてばかりの俺は、がっくりと項垂れた。