桜の咲く頃……… 君を想う
チッ!

邪魔が入ってしまった。

心の中で悪態をついていたら

「桜、今日から私が書くよ!
毎回桜ばかりだと大変でしょ?」と彼女に矛先を向けた。

「ええっ!!
桜の方が字が綺麗だから、桜が良いよ~」

物怖じしないでハッキリ言う玲奈ちゃんの言葉に

「ちょっと、玲奈!!」と険のある声を出して抗議している。

あぁ~。

女の子の争いに、ウンザリしていたら。

「あっ…………だったら、お願いしても良い?
私だと背が低いから、あまり先生のお役にたてなくて…………。
ほとんど先生が書いてるから…………。
先生、すみませんでした。
買って出たわりには………役立たずでごめんなさい。」

そう言ってチョークを置いて、手を洗いに向かった。

勝ち誇った顔の女の子と………

言葉が出なかったことを悔やんだ俺を残して……………。
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