極道の義娘は失声症

「ーっ…」
私は目を見開く
（何故…いるの！）
「オラァ！」
（玲華さん）
「ウラァ！」
（帝！）
私は動こうとしたが鎖に繋がれている
私はギロリと睨み暴れた
鎖が壊れ外れると同時に頭に鉄の感触
（銃）
「起きちゃったのねん？」
「ーっ」
「「！？」」
二人が止まる
私は北原の顎を蹴った
と同時に頭に銃弾が掠る
ボタボタと血が流れる
「ーっー」
神様
私はあなたを憎む
私は帝と玲華さんたちを外に投げる
「ー…」
今言える事
「ーあ，と」
微笑んで見送る事
手を伸ばす帝
それを背に扉を閉め
られなかった
抱き締められる
「ーっ！？」
「逃さんぞ，この大馬鹿もの」
帝
「私もよ，馬鹿」
玲華さん
泣きそうになった私は首を振り
離れるつもり
が
「「行くな！湊！」」
「ーっ」
神様
お願い
私は目を閉じて二人を抱き締める
背中に走る痛み
「っっ…」
私は二人に微笑む
そして
倒れる
玲華さんは目を見開き
帝は言葉をなくす
「しっかりしろ，もう大丈夫だ」
（仁さん）
「息はあるね」
（凰牙さん？）
私は抱き上げられる感覚に意識を落とした
「しっかりしろ！」
「「湊！」」
皆ーごめんーなさい
私はふわふわする意識の中
皆の思い出を見ていた
優しくて
可愛い
そして
愛しい
「ねぇ，起きてよ」
「ーん」
「ねぇってば」
私は目を覚ます
そこには小さな子供
「何？ーっ！？」
話ができる！？
私はペコリと子供に一礼する
「僕は君と帝の子」
え！？
「子！？」
「だから早く目を覚まして」
は，はい
「はい！」
「後頼んどくね」
「？」
私は目を閉じる
そして
目を覚ますとーーーー？
規則正しい機械音
そして呼吸の音
私は周りを見る
すると
寝ている帝の顔が
私は微笑みそっと帝の頭を撫でる
「ーん」
「ふふ」
「みな，湊ッ！」
泣き始めている
馬鹿ね
「おはよう」
私はにこりと笑う
「話せて！？」
私はそっと帝の頭から手を離そうとした
が
「ふふ」
その手を掴む帝
まるで子供のよう
私はそっと涙を拭いてあげる
「何がおはようじゃい」
「ごめんね」
よしよしと頭を撫でる
拗ねてるなぁ
「来たよって………」
玲華さんの姿
「玲華さん」
私の声に花を落として
泣きながら抱きつく玲華さん
「馬鹿！心配したわよ！話せるなんて！」
「ふふ，痛いですよ」
ポンポンと優しく背中を叩く
私は目を伏せて
「ごめんなさい，私の不注意です」
頭を下げる
すると
優しく頭に乗る手
「！！！！」
私はびっくりした
怒るはずなのに
泣いて喜んでいるなんて
私は泣きながら
抱き着く
「ただいま」
「お帰り」
「遅いわよ、お帰りなさい」
神様
私はまだ生きます
だから
どうか見ていてください
この世界を