冷酷王子は子リス姫を愛でる
出産は女の仕事だと、部屋の中には入れてもらえずに。



仕事をしながら何度も何度も様子を見に行き、廊下でキャシーの苦しむ声を聞いた。



変わってやりたいと思っても、変わることができなくて。



もどかしさと、早く顔が見たいという期待。



手につかない仕事はアレンとファーガスが進めてくれて。



真夜中に産まれた我が子と、やっと対面できたのは明け方だった。



「キャシーに会いたい」

「こちらです」



別の部屋で眠っていたキャシーは、本当に疲れているようだった。



物音にも反応せず、死んだように眠っている。



「ありがとう、キャサリン…」



頭を撫でて、起こさないようにキスをする。



ピクリともせず、ただ眠っていた。



しばらく寝顔を見てから、また我が子のもとへ行くと、父である国王陛下と王妃、リオとデイジー、リチャードがベビーベッドを囲んでいた。



「アンドリューに似ているのではないか?」

「キャサリン様の目元じゃない?」

「私もおじいちゃんになったのだな」

「そうだねー。陛下、じいじ」

「照れるな」



なんだかものすごくホッコリしている…。



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