懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めない~
 お酒のせいだというならこれから毎日飲んでほしい。
 入口の壁に優しく背中を押しつける。片方の手で指を絡めて手を繋ぎ、もう片方の手で頭を掻き抱いて。

 慎重ながら、熱烈なキスをする。

「んぅ……ふ……んっ――……」

 唇を触れ合わせることに抵抗がないことを確認するとすかさず舌を入れて、宮内のほうから吸うように促す。彼女が上手に吸えるとそれを褒めるように彼女の舌を甘く吸い上げ、彼女の体から力が抜けきるまで口内を蹂躙した。

 風呂に入る前からここまでするつもりはなかった。正直なところ、宮内の鼻にかかった甘い声がもっと聴きたくなって、頑張ってしまった。

「ん……ぷっ、はぁぁっ……」

 唇を離すと大きく息を吸って、彼女は俺の胸にしなだれかかってくる。

「……ねちっこいキスですね」
「……もっと他の言い方できなかったか」

 宮内とキスをしてしまった。

 これまでの三年の関係から順調に変わりつつあるのを感じてちょっとだけ怖くなる。
 一方では後戻りのできない感じに高揚し、もっと先まで進みたい、と気持ちが急いているのも事実。ときめいて逸る気持ちを抑えながら、雰囲気を壊さない程度の小さな声で問いかけた。

「……風呂は? 先に入りたい?」
「……入りたい、です」
「一緒に入ろうか」
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