懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めない~
タオルで自分の頭を拭いていた手に違和感を感じて目の前にかざすと、小刻みにカタカタと震えていた。
(……まじか)
頑張って止めようともう片方の手で押さえつけても、そっちの手も震えていてどうにもならない。緊張していると、その震えは如実に明かしている。
(緊張? ――俺が?)
社長交代の是非を問われる役員会も、社長就任後の全社員へのあいさつも、緊張はすれど手が震えるほどのことではなかった。
それがなんだ、このざまは。
据え膳を前にしてこんなに緊張しているなんて。
(童貞かよ……)
大丈夫か、これ。
ちゃんと勃つだろうか……。
「お待たせしました」
脱衣所から出てきた宮内は俺と同じナイトガウンに身を包んでいた。
いつもはまとめている髪を下ろしているところがまずもって新鮮。毛先が綺麗にまとまっていて、ブローしたてなせいか〝とぅるん〟と表面が艶めいている。
血行がよくなり真っ赤に色づいている唇。微かに上気している血色のいい頬。潤んだ目。
とても、色っぽい。
(……勃ったわ)
一目で視覚によってノックダウンされた己のチョロさにびっくりした。