懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めない~
「……俺を選んでくれて光栄だよ」
そう言って彼女の頭を抱き寄せると、さっきの入り口での抱擁(ほうよう)と同じように宮内は俺の胸にしなだれかかった。
指通りのいい髪をサラサラと梳く。夜のスイートルームはしんと静かで、腹に接している彼女の左胸から心音がトクトクと聞こえるような気がした。
――今夜、宮内綾乃を抱く。
噛みしめるようにもう一度確かめるとやっぱり緊張した。けれど、彼女の香りに落ち着いたのか、いつの間にか手の震えは止まっていた。
上から抱き込んで耳の裏を鼻先でくすぐる。くすぐったそうに震えた宮内が俺のナイトガウンをきゅっと掴んで、少し体を強張らせる。
「優しくするから心配するな」
「はい……。あの、でも……」
「ん?」
「私の体……物足りなかったらごめんなさい」
「なんの心配だ」
手のひらで頬を優しく撫でるとくすぐったそうに顔をしかめる。直後に照れ臭そうに、嬉しそうに自分から頬を擦り寄せてくるので、意外と甘え上手で参った。