見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「先輩……」


それは流石に言い過ぎ…と自分を過小評価しだす。
そういう言い方をされるほど、私はまだ役に立ってない……。


「アホらし」


雑誌を放り投げる音が聞こえ、三人が一斉に振り向いた。
ソファから立ち上がった副社長は、ウンザリしたような顔つきで溜息を吐き、「もう帰っていいか?」…となげやりな感じの声を出した。


「用事があるから来て欲しい…と呼ばれてきたが、大した用でもなさそうだな」


帰るぞ、とソファを離れようとする。
その背中を呆然と見つめ、私は「自分も…」と声に出しそうになったけれど。


「待てよ」


副社長を呼び止める声が聞こえ、ハッとそっちを振り返った。
彼を呼び止めたの社長はソファから立ち上がり、彼の方へ向き……


「今から親父たちが来るって、さっき言っただろ。親子水入らずで新年会するから、そのつもりでいろって」

(えっ!)


声にならない言葉を発して社長の様子を窺う。
彼は視線を真っ直ぐに副社長に注ぎ、目線を移せば、副社長は副社長で少し悔しそうな顔をしている。


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