見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「あの、私は…」


それでは絶対にお邪魔ですよね、と言いたくなり、ソファから立ち上がろうとした。
でも、隣にいる先輩にぎゅっと手首を握られ……。


「神野ちゃんも一緒に居ようよ。私の両親も来るし、皆で一緒に食事するだけだから」

「えっ…」

「私の可愛い後輩を皆に紹介したいの。それに、私もまだ彼のご両親には緊張して、なかなか上手く喋れないから」


お願い!と手を合わせて頼み込まれてしまう。

そんなことをお願いされても、私の方こそ会長ご夫婦とは全く面識もない上に、先輩のご両親とは結婚披露宴の時に少し喋っただけなのに__。


(これ、幾ら何でもハードル高すぎじゃない!?)


絶対にムリ!と頭の中では答えが決まっている。けれど、目の前にいる先輩は懸命で、それを無下に断るのは難しい。


(それに、そんな席に参加するような服装では来てないし、ちょっと流石に遠慮したい)


今日、自分がチョイスした服装は、タートルネックのセーターにワイドパンツを組み合わせただけ。アクセも付けてはいないし、完全にカジュアルな装いだ。


「先輩、私…」


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