見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
副社長ともあの忘年会以来だし、この新年会で話すチャンスがあるとして、何を言えばいいのやら。


(悩む…)


心を重くしながら出されたコーヒーを口に運ぶ。
ミルクもシュガーも入れないコーヒーは苦くて、舌の上に渋みだけが残った……。




一時間後くらいにはご両親達が揃い、あっという間に夕食の準備が進んで、今はグツグツとお鍋を囲んで食事中。

メニューは、ズワイ蟹や大ぶりの牡蠣など、高級な海の幸がてんこ盛りになった海鮮鍋。

野菜ももちろん有機野菜で、他にも箸休めに…と先輩が作ったカブの柚子香和えが添えてあったり、会長の奥様が作られた、生タコのマリネが置かれていたり、先輩のお母様が作ってきた、リンゴの蒸し焼きがデザートとして出番を待ち望んでいたりして……。


(美味しい。もの凄く、どれも美味しいんだけれど……)


でも、緊張半端ない…と、肩身を狭くしながら箸でつまむ。

鍋に入っている牡蠣は殻から外されてるからまだ食べ易いけれど、蟹の身は専用のフォークを使って身を剥かないといけないから、どうにも私には難しく__。


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