見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

振り返ると、それを伸ばしてきたのは右隣に座っている副社長で、「社員を酔わせてどうする気だ」と怖い顔をしながら会長を睨んでいる。


「俺にはそんなつもりはないが」


不満そうな声で反論すると、副社長は自分がその徳利を受け取り、「ほら」と言いながらお酒を勧め返した。


「おっ！なんだ。注いでくれるのか？珍しい」


会長は副社長のご機嫌取りに気を取り直し、自分の杯を差し出して注いでもらう。
副社長は、そのまま先輩のお父様にもお酒を勧めて、和気藹々と場の雰囲気を崩さずにやり過ごした。

それを見て、私は少しホッとした。

私に勧められても断るだけで、下手をすると正直に答えすぎて、皆の楽しい雰囲気に水を差してしまったかもしれないから。


（さすがに慣れてる。こういうの、何度も経験しているのかな）


海外支社にも居たことがあるのだし、こういうホームパーティーにも何度も参加をしてきたことがあるのだろう。


それで、周りにもスマートな対応がすぐに出来るのだろう。
紳士的に振舞い、皆を上手にもてなして＿＿。



（スポーツ大会の時と同じ）