見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
神野はいろんな人に呼ばれては、笑顔でずっと対応していた。嫌な顔も、忙しい素振りも見せずに、人の良さそうな感じで接していて。そういうのを見てると無性にイラっとして、…こいつ、裏の顔でも持ってるんじゃないのか…と疑いながら睨み付けていた。
そこに丁度、「寒いよね」と会話する声を耳にして、汗をかきながら仕事する連中には、待ちくたびれている人の気持ちは分からないよな…とお節介した」


それが、あの空調温度を上げることだった…とようやく気づいた。
私が目線を向けると、フ…と彼は目元を細め、「あの時の会話が初めてだったな」と振り返った。


「神野の名前も知らないから呼び方には迷った。周りの連中は、『神野ちゃん』と呼んでいたが、面識のない俺がそう呼ぶのはおかしいし、そもそも周りの奴らと同じ呼び方なんて、したくないと思ったから『あんた』と呼んだ」


不躾な呼び方をして悪かった…と今更ながらに謝ってくる。
それに返事も返さずに、まだ唖然としていると、副社長は私のことを見つめて、「神野は真っ直ぐな奴だな」…と急に褒めだした。


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