見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
無言でいると、そっ…と髪を掻き上げられた。
耳朶を露わにされ、それに唇が近づいてくる。


「社内でカウンセリングした後、泣きそうなのに泣かない君に惚れ込んだ。一目惚れじゃないけど、あれ以来、俺の心には神野が棲み着いてる」


新年会で理想の女性は?…と訊かれた時、彼は、「我慢強く、前を向く人」だと答えていた。
それが、まさか私?…と目を見開いて耳を疑った。



「ふくしゃ…ちょう………」


声が続けられなかったのは、彼の唇が私の口元を覆ってしまったからだ。
手もぎゅっと握られ、後ろに回された手が強く体を抱き寄せる。


「んっ……」


んんん…っともがくようにするが、彼は返って深く唇を重ねてくる。

こんな熱烈なキスをするのは初めて。
いや、キス自体が初めてで、頭が眩んで力が抜ける……。



くた…と脱力する私から、ス…と離れていく唇。

目の前にいる人の顔も少しぼうっとしている。
頬が赤く染まって、まだ夢でも見ているみたい。



「あーもう、本当に」


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