見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「すみません。バーじゃなくて」


本当にしっぽり話すのならバーとかホテルでの方がいいに決まっている。
けれど、さっきのお店でワインも飲んだし、これ以上は酔って話もしたくない。



「別にいいよ」


紙カップを持ち上げた彼が微笑む。
飲み込んだ後から、「甘っ…」と呟き、クスッと笑いを噛んで可笑しくなった。


(甘い物、苦手なんだ)


ココアは飲むくせに…と思いつつ、自分もホットチョコレートに口を付ける。
さっきの店で飲んだココアに比べ、かなり甘いドリンクに、なるほど…と納得して、ゴクリと喉へ送り込んだ。


「…これ、香りはチョコレートなのに、後味にほんのりオレンジが香りますよ。スッキリしていて、思ったよりも飲みやすいですよね」


美味しい…とコクコクと続けて飲むと若干不服そうな顔を見せる。
つんと唇を尖らせ、子供っぽい表情をしているようにも見える。


そういう彼を見ていると、自分だけに見せる顔なのかな…と感じてしまう。

そういった彼の普段見えない顔や思いを、私だけが見たり聞けたりできる立場になれたらいいのに…と願いながら徐ろに声を発した。



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