見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「どうして?」


疑問を口にしてしまい、慌てて「あっ…」と唇を結ぶ。
けれど、彼はそれを気にせず、カップをトレイの上に置くと手を握ってこう話した。


「前々から考えてたんだ。琴音が一緒に住んでくれたら幸せだろうな…と」


それは、あのキャンプへ行く日に実感したそうだ。
エントランスホールで待っていた私が駆け寄ってきて、「おかえりなさい」と彼に言ったあの瞬間に__。



「あの時、いろいろとモヤッてて、気分が暗くなってたんだ。だけど、琴音の顔を見たら一気に霧が晴れていく様な気がして、…ああ俺、こんな風に琴音に出迎えて欲しかったんだな…と思った。
それで、これをずっと琴音に言いたいと思い続けてて、今日やっと口にすることが出来たんだよ。
これまで散々堪えてきたけど、それももう限界っていうかさ。兄貴達の幸せそうな顔を見たら、自分だけが我慢させられてんのも不公平な気がして、無茶苦茶悔しくなってきたんだ。
…だからって、負けん気だけが先立って言ってるんじゃないぞ。ずっと頭の中で妄想していたことを実際にしたいと思って、口にしているまでだからな」


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