見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

それで動いた結果がこれなのか…と若干呆れつつ彼女の手元を見つめ、全く相変わらずだな…と言いたくなるのを堪えた。


「分かったけど、一人で動くのには限界もあるぞ」


新人でも使わないとものにならない…と言えば、反省した様な顔つきで頷く。
それを確かめた俺は軽く息を吐き、さて…と気持ちを切り替えて膝を伸ばした。


「とにかく片付けたら夕飯にしよう。今夜は俺が作ってやるから」


但し、簡単なものな…と笑顔で言うと、パッと一瞬明るい表情を見せてくれたのだが＿＿。


「大丈夫！私、作るから」


直ぐに片付けてやります…と立ち上がり、リーフレットの束を仕事用のバッグに詰め込んで、さっさと寝室を出て行こうとする。


「琴音！」


彼女の手首を掴み、「待て」という感じで止めようとしたのだが、さっとその手を振り切られてしまい、申し訳なさそうに振り返る彼女が＿＿。


「千之さんも仕事で疲れてるんだから、私に任せてくれて大丈夫」


ささっと作ってくるね、と明るい笑みを見せて走り去っていく。
おかげで俺は何も言えなくなってしまい、パタパタ…と小さくなる足音だけに耳をすませた。