見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
足りない物があればキャンプ場の事務所へ行って借りてこないといけないし、寒さ対策の為の暖房用の燃料や毛布などが十分あるかどうかを確認していた。


目紛しく働くのには、ワケがあった。

それは、予定通りに副社長が参加していて、彼に落ち度を指摘されるのが嫌で、自分の目でしっかり確かめていたかったのだ。

私以外の参加者は、副社長が参加してても全く違和感などなく、まるで自分達と同じ一般社員が参加しているような気軽さで話しかけ、会話や冗談を言い合っている。

それを遠目に見ていると、なんだか羨ましい気もする。

だけど、あの時、彼に言われた言葉が今も私の胸にはグサリと突き刺さっていて、まだ抜けきれずにずっと胸の奥に留まっていた。


そう言えば、冬キャンプが始まる前の週にオフィスの健康診断があった。

福利厚生担当として、私は健診を受けにくる予定の人達がちゃんと集まっているかどうかを受付の近くで確認していた。

私の顔を見ると、気軽に声をかけてくる社員も多くて、前回の健康診断で指摘された異常や精密検査後の経過など、心の悩みや不安などを聞いて欲しい…と訴えてくる社員も中にはいた。


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