見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
倒れ込むように地べたに転んで手をつき、その拍子に膝も強かに打ち付けた。


うっ…と顔を歪めたけれど、それどころじゃない。
早く逃げないと……でも、体が動かない。


「た…っ」


助けて!と叫びたいのに、声が出ない!


(どうしよう…怖いっ…!)


恐怖で頭の中が真っ白になってしまう。動こうにも足や腰には力が入らず、手は震えて、まるで金縛りにでもあったみたい。



「おいっ、大丈夫か!?」


足元に近付いてくる靴の音に気づいて、ドクン!と心臓が高鳴る。
涙が溢れそうになる視界に黒いスニーカーの爪先が映り、更に恐ろしくなって震え上がった。


「…おいっ!」


上から聞こえていた声が下りてきて、ハッと前を見遣る。
目の前に映った人の姿にゾッとして、見開くようにして凝視した。


「怪我は!?」


目の前に現れた人は自分も膝をついて足を確認している。
膝を見遣って、皮を擦り剥いているのを確認し、他は大丈夫か?…とまた目線を上に向けた。



(あっ……)


見覚えのある顔にハッとして声を失くしたまま呆然と見た。
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