見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「あ、あの…」
どうしようと焦るが、こればかりはどうにも仕様がない。
驚き過ぎて腰が抜けて、一気に回復とまではいかないみたいだ。
「全く」
呟いた人は、あの夜と同じ様にさっと足を掬い、私を抱えて立ち上がった。
こっちは一度ならず二度も三度も……と恐縮してしまい、顔から火が出そうなほど恥ずかしくなって俯ける。
私を軽々と持ち上げたまま歩き出す彼。
その腕の温もりと逞しさに胸を弾ませながら、そっと相手の顔を見遣った。
間近で見る横顔は、案外と骨張っていて耳朶が厚い。
それに胸がキュンとして、少し縮れた頸の毛先にもつい目線を奪われてしまう。
また、こんな感じで彼と急接近できるとは思ってもいなかった。
だから、ときめき過ぎて過剰に胸が鳴り、顔も首筋も、身体中がとても熱くて……。
「だから、見るなって」
じろりと下りてくる目線にビクッとして俯く。
無意識で彼のことを凝視していたのだと知り、またしても自分は…と反省。
「すみません!」