見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「神野ちゃん!」


キャンプファイアーの場所へ戻ってきた私を見つけ、驚いた顔で珠紀が近づく。
「何処へ行ってたの!?」と大袈裟に心配され、私はクーラーボックスを指差しながら、「ごめん。これを取りに駐車場まで行ってた」と教えた。



「一人で!?」


下ろせたの?…と驚く珠紀に、うん、まあ…と誤魔化しながら相槌を打つ。その時にちょっと足を引っ掛けて擦り剥いちゃった…と笑って見せると、「うわっ!痛そっ!」と叫び、直ぐに救急箱を持ってきた。


「早くそこに座って。手当てしないと」


バイ菌が入ったら大変…と慌て、ズボンも擦り切れちゃってる…と捲り上げながら呟く。


「無理しなくても誰かにお願いすれば良かったのに」


当然のような言葉を聞いて、その通りだね…と呟き、此処までクーラーボックスを引っ張ってくれた人のことを思い出した。


手を引いて、クーラーボックスも一緒に引っ張ってくれた人は、キャンプ地の近くで手を離し、「此処から先はあんた一人で行けるだろ」と振り返った。


「俺が一緒に行けば皆が気兼ねして楽しい場に水を差すことになるだろ」


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