君 色。 <短>



――変わったね

そう思われるのが恐くて。


――変わっちゃったね

君をそう感じてしまいそうな自分が嫌で。



だけど、離れたくはなくて……


言葉にならない、空の約束だけを互いの心の中に交わして

私達はかろうじて繋がっているみたい。



会いたいのに

逢いたいのに……



昔の想い出が強すぎて

わかり合えすぎてたから――



今はもう、わからなくなっていることに気付かされるのが恐かった。




――スキ

……違うの。


――愛してる

……そんなんじゃないの。



ただ……

ただ…………


君は大きい。

私の中に大きく居座ってるの。


どうしても追い出せないでいるよ。



“じゃあね”

たった一言で、今の時間を断ち切ることもできない。


“また今度”

次の約束も切り出す勇気もない。



堂々巡りの繰り返し。


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