「好き」はきっと二分の一
私はパチパチと拍手をする。数字の授業がこんなのだったら、きっと授業前にブルーにならずに済むんじゃないかな。

「数学は、誰が解いても同じになる唯一のものなんじゃないかな。ほら国語の作文とかはみんな違うのが当たり前だし、世界史で習うことに対する考えたって人それぞれだろ?」

確かに、そうかもしれない。数学のワークの答えはみんな同じだ。もちろんテストの問題の答えも同じ。でも他の教科では感想を書く場所があったりする。そして、そこに書かれた内容は人それぞれ。

「数学って不思議ですね」

「だろ?女子がよく話している恋にも使えるんだ」

「恋?」

先生はグラフを紙に書く。何のグラフか知らないけど、数字を書いたいつものグラフにハートや涙のグラフが出来上がっていく。

「可愛い〜!!」

私はフニャリと笑う。先生は、やっぱりギャップ萌えしちゃう。こんな可愛いグラフが作れるなんて……。

「喜んでもらえて嬉しいよ」
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