冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「単純な名付けだが、余は良いと思う。名付けとは、その名付けた本人の想いによって変化するものだ」
「変化……ですか」
そう言われましても、本当は何も考えなしで名前を付けた。
流石に今の言葉を聞いて、その様な言葉は口に出来なかった。
「皆、揃ったな。では、出発する!」
王様の号令と共にその場で待機していたドラゴン達は、大きな羽を広げる。
ドレスやヘアセットが着くまでに崩れないだろうかと少し心配したが、そうならない為に、風よけがこの間よりも強化され、前からの風が一切当たらない。
スピードはかなり出ている様だが、それを全く感じさせないのは、恐らくドラゴン設備のお陰だ。
馬車に乗って五日で着くところを、このドラゴンに乗って一日で行く。
帝国のお城が建っている方面とはまた違う今回の場所は、初めて見る所ばかり。
見た事のない町の風景を、ただ上から見下ろす。
建物が栄えた大きな町だったり。質素な建物が密集した小さな村だったり。
ここでは見るもの全てが新鮮で、楽しくて仕方がない。