冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「……あ、あら。隣に王妃様がいらっしゃったのね!ご挨拶致しますわ。わたくし、ルティアン・モゼ・ベルデークと申します」
今さら私の存在に気づいたような彼女は、そう言って私へ軽く頭を下げた。
ベルデークの名に、思わず反応してしまう。
(ベルデーク公爵の娘……っ!?)
相手を理解すると同時に疑問が浮かぶ。
それは恐らく王様が始め抱いた疑問と一緒だろう。
「わたくし王様とお話したい事がございますの。お借りしても宜しくて?」
この口調と目つき。
私はこの感じを嫌なぐらい知っている。
人を見下す時に見せる態度だ。
彼女は古くから続くベルデーク公爵家の令嬢なので、王妃である私が帝国の人間だと聞いて、本能的に自分より下の者だと認識したのかもしれない。
……が、一応私は王妃だ。
王妃は仕える者に舐められてはいけない。
毅然とした態度と、威厳が大事だと教わった。