君は同期で幼馴染で××で
「陸……ありがたいけど、あなたいつも私につきまとってばかりでしょ?たまには他の人との時間も大切にしないと……」

「そんなの必要ないよ」

私の言葉を遮って、陸が珍しく鋭い口調で言う。

「そんなの必要ないよ。僕は、真紀ちゃんといる方が、気が休まるから」

陸はたまにそうやって言う。だけど、私達もう26歳だよ。将来のこととか考えると、ずっと一緒にいられるわけじゃないんだし……
出かかった言葉を飲み込んで、今の会話はなかったかのように、陸に笑顔を向ける。

「スーパー、寄るんでしょ?」


春巻きの他に、朝食のパンやお菓子も買い込んで帰宅する。

「じゃあ真紀ちゃん、30分後ぐらいに行くね」

「うん、わかった」

こうしてそれぞれの部屋へ行く。
私も陸の部屋にお邪魔したことはあるけれど、圧倒的に私の部屋に陸が来ることの方が多い。というか、行き来したがるのが陸の方だから、必然的にそうなるのも仕方がない。

この後、陸はルームウェアーに着替えて、おかずを作ると私の部屋にやってくる。そして、お互いに作ったもの分け合って夕飯にし、少し寛ぐと帰っていく。そんな日が、平日は週2〜3回ある。週末も、お互いに予定がなければお昼時から来ることもある。

そもそも、なんで今、こういう状況にあるかと言えば……正直、私にもよくわからない。
一言で言うとすれば……腐れ縁だから仕方がない?ってことなのかな。




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