始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
頑張っていきたいと、そう決意したすぐそばから、崩れそうになるこの気持ち。


でも、大丈夫、大丈夫。


気にしないようにしよう。


大丈夫だから…


そう、何度も自分に言い聞かせた。


『梨花さん…すみません、しっかり頑張ります』


私は、梨花さんに、完全に嫌われてしまったんだ…


もう、元には戻れないかも知れない。


そうだ…


さっきまで、私、お客様にヤキモチを妬いてたんだった…


ヤキモチ妬いたりとか、梨花さんにいろいろ言われて落ち込んだりとか、私は…そんなことしてる場合じゃないんだよね。


私は…お客様のために、この店にいることを忘れちゃいけないんだ。


お客様を笑顔にするために、そのためだけに、私はシャルムにいるんだから。


そんな風に、改めて前向きに考えることが出来たのは、ある意味、梨花さんのおかげかも…ね。


とにかく、明日からまた、前を向いて頑張ろう、そう思えた。
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