始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
仕事が何とか終わって、私は、今日も1人で帰っていた。


悠人は、最近、本当に忙しくしてる。


少し寂しかったけど、仕事だから仕方ない。


特に今は、お父さんの会社のひとつが、新しい化粧品を発表するみたいで、そのことで、悠人も慌ただしく動いているみたいだった。


その事業が成功すれば、月城グループとしても、かなりの業績アップに繋がるはず。


グループでの悠人の株も上がれば嬉しいし。


だから、大変だけど、体に気をつけて頑張って欲しい。


どんなに疲れて帰って来ても、優しい悠人。


ほんの少しだけ話して、そして、眠る…って言う毎日。


でも、それでも、一緒に居られる時間があるんだから、それだけで幸せだ…


って、そう、思ってる。


『穂乃果さん』


この声?


『お疲れ様です』


輝くん!


『ここで待ってたら、会えるんじゃないかなって』


駅近くの広場に、輝くんはいた。


『え?いつから待ってたの?輝くん、今日は早番だったから、ずいぶん先に帰ったよね』
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