極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
大和さんは着物教室が終わった後いつもの如く生徒さんに取り囲まれていて(その筆頭は薫子さんだった)にこやかに相手をしてたはず。
「ん?騒がしいから逃げてきた」
にっこり笑ってる大和さんがそういう側から通路では騒がしい声が聞こえた。
「大和さま!どこに行ったのかしら!」
薫子さんと数名の女性たちが大和さんを探しているよう。
振り向きそれを見ていた私が顔を戻すと大和さんは私と茉子ちゃんの陰に隠れて息を潜めていた。
呆気にとられてるとハハッと誤魔化すように苦笑いして、大和さんは手にしたかんざしを私の髪に挿すため手を伸ばした。その距離が凄く近くてびっくりした私は固まった。
大和さんの着物からほのかにお香のいい匂いがする。
「うん、似合うね」
「あ…ありがとうございます…」
恥ずかしくてもじもじしながらじゃあこれ買おうかなと言おうとしたら大和さんが遮った。
「茉子ちゃんこのお代付けといて後で払うから」
「「え?」」
茉子ちゃんと私は同時に声を上げる。
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