極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
その日の夜。
毎日晩酌をする旦那さまと風雅さんをよそに遅く帰ってきた流星さんは食事を終えると仕事が残ってるとかで書斎に籠もってしまった。
最近一人の時間を持てないからか、流星さんはとても機嫌が悪い。
流星さんを心配してか和泉さんもよく顔を出すようになったけどやっぱりお医者さまは忙しいようですぐに帰った。

いつも帰り際、兄さんを頼むよと苦笑いの和泉さん。今日は和泉さんにあづま堂のお菓子を渡した。
「あの、和泉さんは、甘い物大丈夫ですか?」
「え?うん好きだよ?どうして?」
「あっいえ、好きなら良かったです!どうぞ」
渡す時つい伺うように聞いてしまって慌ててお菓子を渡した。不思議そうな顔をしてたけど和泉さんは嬉しそうにお菓子を受け取り帰っていった。
そう、好きな物を目の前にしたら嬉しい顔をするはず。
でも、考えてみたら流星さんは嬉しそうに笑うことはほとんど無かった。
あまり表情に出す人ではないけど得意ではないかもと気付くべきだったと後悔した。
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