極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
そんな私は恐る恐る流星さんの書斎のドアにノックをする。
はい、と返事が聞こえ「お茶をお持ちしました」と中に入っていく。
流星さんは椅子に座り本を読んでたようでいつもはしてない眼鏡姿だった。
黒縁眼鏡がまるで額縁のように綺麗な碧眼を縁取りじっとこちらを見ている。その麗しい姿にドキドキしてしまう。
どうぞとそっと机の端にお茶とお菓子を置くとお盆を抱きしめ流星さんの様子を伺う。
案の定流星さんはおや?という顔をして横に立つ私を見上げた。
「今日はおかきか?珍しいな」
そう、お茶請けのお菓子はしょっぱい塩味のおかき。これもあづま堂の人気商品だけど今まで出したことは無かった。
「風雅さんから、流星さんは甘い物が嫌いだとお聞きしたので…。今まで知らなかったとはいえ甘い物をお出しして申し訳ありませんでした」
頭を下げて謝ると暫しの沈黙。

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