君がいれば、楽園
 わたしが、あの時もらったアイビーを素敵に飾りたいと思っているのだと言うと、冬麻はわたしの部屋に合う飾り方を考えさせてほしいと言い出した。

 幼い頃に見たイングリッシュガーデンに感銘を受け、ガーデナーになると決心したという彼は、夢を叶えて、造園や店舗のインテリアコーディネートを請け負う会社で働いていた。

 再会した翌週、彼はなぜか小さな「パキラ」を抱えて私の部屋にやって来た。

 その翌々週、アイビーを飾る棚や素焼きの鉢と共に、「テーブルヤシ」を持って来た。

 冬麻は、その後も植物たちの様子を見るためだと言っては、度々わたしの部屋にやって来て、来るたびに新たな植物を置いていった。

 アジアンタム、エバーフレッシュ、シュガーバイン、ガジュマル、コーヒーの木、グリーンネックレス……三か月が過ぎ、わたしの部屋が緑で埋もれてしまいそうになった頃、「友人」から「恋人」になりたいと言われた。

 嬉しかった。

 でも、すぐに「はい」と言えなかった。
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