【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜


「楽斗のせいで、胸がドキドキし過ぎてる」

「そう?じゃあ、聞かせて?」

「ば、ばか!」


急な申し出に焦ると、クスクスと微笑む楽斗。


「やっぱり愛咲ちゃんは可愛いなぁ」


その一言に、なんとなく負けた気がして……。


「そんなこというなら…ほら…ドキドキしてる、でしょ?」


ぐいっと私のことを抱き締めている楽斗の手をおもむろに掴んで、自分の胸元に引き寄せた。


「ちょ、も、愛咲ちゃん?!」

「…ね?」

「……もー…敵わないなぁ、愛咲ちゃんには」

「だから、こんな私でもずーっと好きでいてね?」

「大好きだよ…俺だってこんなにドキドキしてる、から」


きゅうっ


抱き締める手に力を込められて、そのまま前髪を掻き分けられて、そこにキスを落とされる。


甘い、甘い、キス。

それは私の作ったチョコレートよりも、甘くて魅惑的で…。

「楽斗、大好き」

「うん…愛咲ちゃんのこと、俺も大好きだよ」


この、温かくて、愛しくて…二人にしか作れない甘い空間の誘惑には、一生勝てやしないと、そう…思った。



< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop