【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜
「楽斗のせいで、胸がドキドキし過ぎてる」
「そう?じゃあ、聞かせて?」
「ば、ばか!」
急な申し出に焦ると、クスクスと微笑む楽斗。
「やっぱり愛咲ちゃんは可愛いなぁ」
その一言に、なんとなく負けた気がして……。
「そんなこというなら…ほら…ドキドキしてる、でしょ?」
ぐいっと私のことを抱き締めている楽斗の手をおもむろに掴んで、自分の胸元に引き寄せた。
「ちょ、も、愛咲ちゃん?!」
「…ね?」
「……もー…敵わないなぁ、愛咲ちゃんには」
「だから、こんな私でもずーっと好きでいてね?」
「大好きだよ…俺だってこんなにドキドキしてる、から」
きゅうっ
抱き締める手に力を込められて、そのまま前髪を掻き分けられて、そこにキスを落とされる。
甘い、甘い、キス。
それは私の作ったチョコレートよりも、甘くて魅惑的で…。
「楽斗、大好き」
「うん…愛咲ちゃんのこと、俺も大好きだよ」
この、温かくて、愛しくて…二人にしか作れない甘い空間の誘惑には、一生勝てやしないと、そう…思った。