【女の事件】黒煙のレクイエム
第7話
11月15日に、アタシが通っている中学校のクラスにて事件が発生した。

アタシがいるクラスの男子生徒のS沢が『オレが大切にしていたプレステポータブルがなくなっている…』と騒いで、アタシが取ったのではないかと口走っていた。

アタシは思い切りキレていたので、怒って学校を飛び出した。

それから1時間後のことであった。

アタシの家に学校から電話がかかって来たので、義母が対応に出た。

学校の先生は『S沢くんのプレステポータブルがなくなった事件については、S沢くんがかんちがいをしていたみたいで…』と言うていた。

S沢くんが身につけていたポーチの中にプレステポータブルが入っていたことが分かったので問題は解決したから、学校へ来てくださいと先生は言うていた。

アタシが家に帰ってきた時であった。

義母は、受話器を置いた後アタシに学校に戻るように言ってきた。

「こずえちゃん…ああちょうどよかったわ。」
「何なのよあんたは!!」
「こずえちゃん…さっき学校から電話がかかってきてね…S沢くんのゲーム機がなくなっていた問題が解決したから学校へ戻っておいで…」
「うるさいわね!!帰らないからね!!」
「どうしてそんなに怒っているのよ…学校のお友だちはこずえちゃんが帰ってこないと言って心配になっているのよ。」
「うるさいわね!!アタシには学校のお友だちなんかいないわよ!!何がみんなが心配をしているのよ…あんたはアタシにどうしてほしいのよ!?」
「どうしてほしいって…学校に行ってほしい…」
「アタシはもう学校を捨てることにしたから!!何が学校へ行きなさいよ!!何が楽しい時間なのよ!!ふざけるな!!」

アタシは義母に思い切り怒鳴りつけた後、どこかへ行ってしまった。

そして、その日の夜9時過ぎに深刻な事件が発生した。

市内三日町3丁目の霊園の公園の雑木林で、信用金庫に勤務しているOLさんが恐ろしい覆面をかぶった若い男のグループに襲われた後にボロボロに傷つくまでシツヨウにレイプされた後、亡くなった事件が発生した。

宮城県警の捜査1課の刑事たちは容疑者の男のグループの身元を割り出すために必死になっていたが、容疑者の男のグループの身元が特定するための証拠がとぼしかったので、焦りの色が出ていた。

事件の翌日のことであった。

信金の女性職員さんがレイプされて亡くなった事件で、容疑者の身元が特定できない中で宮城県警の捜査1課の刑事のひとりがアタシが通っている中学校にやって来た。

刑事たちは先生たちに『おたくの中学校の生徒がゆうべのレイプ事件のグループに関わっているかもしれないから…』と口走っていたので、学年主任のI村先生がドカーンとキレてしまった。

この日アタシは、前日にS沢がアタシがプレステポータブルを盗んだことを口走っていたことに腹を立てていたので学校を無断で欠席をしていた。

深刻な事件は、そんな中で発生した。

学年主任のI村先生がアタシがいたクラスに授業中にやって来た。

「オラ!!オドレら!!授業を止めてこっちへ注目しろ!!」

I村先生は、ゆうべのレイプ事件で亡くなった女性が持っていましたケータイがなくなっていたと言う話をケーサツから聞いたのでさらに怒りが増幅していた。

「オドレら!!これからオドレらの持ち物を調べるから、カバンの中を机の上に出せ!!」

クラスの生徒たちは、I村先生の怒鳴り声が恐わくなったので机の上に持ち物を全部だした。

ところが、S沢だけはあわてた表情をしていたので、I村先生がS沢のもとへドカドカと足音を立ててやってきたあと、恐ろしい表情でこう言うた。

「S沢…中に隠しているものを出せ!!」
「しっ、知らないよぉ…」
「出せと言っているだろ!!」
「イヤだ!!」

(バサバサバサバサ…)

この時であったが、S沢のカバンから中身がドサドサと出てきた。

その時に、ピンク色の二つおりケータイが発見されたので、I村先生が手に取って見た。

I村先生は、手にしたピンク色の二つおりケータイの写真のフォルダに亡くなった信金の女性職員さんがボロボロに傷ついて亡くなっている写真を発見したので、さらに怒りが増幅していた。

「S沢…オドレゆうべ事件の現場に行っていたようだな…」
「いっ…行っていません…ぼくは知らないよ…」
「S沢!!」

(ガシャーン!!)

怒り狂っていたI村先生は、近くに置かれていた予備のガラス板でS沢の頭を思い切り殴った。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

クラスの生徒たちが恐ろしい悲鳴をあげていた。

「I村先生!!何てことをするのですか!?」
「だまれ!!ケーサツが処罰をしないのだったらオレがS沢を処罰する!!」

I村先生は頭がサクラン状態におちいっていたので、S沢を思い切りけとばした後、関係のない男子生徒数人にも殴るけるを加えた上に、教室の物を壊しまくっていたので、ケーサツに逮捕された。

しかし、ゆうべのレイプ事件のことについては、S沢が犯行に関わったことにつながる証拠が見当たらないことが分かった。

S沢はムザイであったが、I村先生から受けた暴力が原因で死亡した。

関係のない男子生徒5人のうち、3人は心肺停止におちいったあと死亡、2人は今も意識不明の重体になっている。

次の朝のことであった。

前日に無断で欠席をしたアタシは、自分の品物をロッカーや机から取り出すために一度学校に来ていた。

アタシが荷物の整理をしていた時、クラスの女のコがやって来てアタシにこう言うた。

「あっ…こずえちゃん。」
「おはよう。」
「おはようじゃないわよ…こずえちゃん…昨日ね、I村先生がS沢の頭をガラス板で殴って暴行して殺した上に、数人の男子生徒も殺された事件で逮捕されたのよ!!」

女のコの言葉に対して、アタシは冷めた声で「あっ…そうなの…」と言うた。

「こずえちゃん…おとといのレイプ事件のことについては…容疑者の身元が分からないままになっているのよ…それなのにI村先生が先走ってS沢が事件に関わったと言うて一方的にキレて、S沢を殺してしまったのよ…関係のない生徒数人も殺してしまった…その上に…言い出しっぺの刑事も見間違いをしていたみたいよ…」
「そう…」
「このあと、体育館で臨時の全校集会が開かれるのよ…その時に、校長先生が逮捕されたI村先生が他にも特定の生徒に暴力をふるっていたことが分かったので、くわしい説明をするって…」
「どーでもいいわよ…そんなことアタシにはカンケーないもん…」
「こずえちゃん…」
「あのね…アタシね…今日限りでこの学校に来ることはやめることにしたから…今日は…そのために荷物の整理をしに来たのよ。」
「荷物の整理って…こずえちゃん…もしかして…転校をするの?」
「しないわよ…アタシ…しんどいのよ…この中学校に転校をしてきてからついていないことばかりが続いているのでしんどいのよ…サイアクだわ…」
「こずえちゃん…」
「アタシ…明日から当分の間療養生活をおくるから…もうここには帰って来ないから…」

アタシは、荷物の整理を終えた後に荷物がぎっしりと詰まっている紙袋を持って教室をあとにした。
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