【女の事件】黒煙のレクイエム
第8話
学校から帰ってきたアタシは、学校から持ち出したアタシの私物を部屋の中で整理していた。

そんな時、義母が優しい声でアタシに玄関に来てねと言うたので、玄関に行った。

アタシが玄関に来たときであった。

アタシが通っていた中学のクラスのコたち7~8人が来ていたので、アタシはワナワナと震える声でこう言うた。

「何なのよ…何なのよ一体これは!?」
「こずえちゃん…クラスのコたちがこずえちゃんのことを心配して来てくれたのよ。」
「あのね!!アタシは来てほしいなんて頼んだ覚えはないのにどうして勝手に来たりしたのよ!!」
「こずえちゃん…」

7~8人のコたちは、泣きそうな声で口々に『一緒に学校に戻ろうよ。』とか『こずえちゃんと一緒に学校を卒業したいよ。』と言っていましたので、アタシは思わず『帰んなさいよ!!』と怒鳴り散らした。

「こずえちゃん!!お願いだからそんなに怒鳴らないでよ…お友達がいなくなってもいいの!?」
「うるさいわね!!しゅうかは入ってくるな!!帰んなさいよと帰んなさいよ!!」

この時アタシは、頭がサクラン状態におちいっていたので、手当たり次第にある物を7~8人のコたちに投げつけて攻撃した。

その時であった。

(フギャー!!フギャー!!フギャー!!フギャー!!)

赤ちゃんの泣き声がより激しくなっていたので義母は大パニックにおちいった。

クラスのコたち7~8人は、恐ろしくなったのですぐに家を出ていった。

義母は、7~8人のクラスのコたちを追いかけて外に出たが、途中で近所の奥さまに呼び止められた。

近所の奥さまは、ものすごく恐ろしい目付きで義母に詰め寄ってきた。

「しゅうかさん!!」
「奥さま…」
「しゅうかさん!!ちょっと話があるのだけどいいかしら!?」
「あとにしてください!!今は…こずえちゃんがお友達をイカクしてしまったから…」
「こずえのことなんかはどーでもいいのよ!!あのね!!今はあんたの赤ちゃんの泣き声のことでクレームがあるから呼び止めたのよ!!人の話を聞きなさいよ!!」
「奥さま…赤ちゃんは泣くことしかできないのです…」
「そんなことは分かっているわよ!!だけどね!!この最近になってだけどね!!あんたの赤ちゃんの泣き声がより強烈になっているから、近所の間で問題になっているのよ!!」
「奥さま!!言いがかりをつけてくるのもいいかげんにしてください!!」
「何なのよあんたは一体!!赤ちゃんの泣き声がより強烈になっていると言うのに…赤ちゃんのことはムカンシンで通そうとしているわけなのかしら!?」
「ムカンシンなんかじゃありません!!今は…こずえちゃんが学校に行かなくなったことと卒業後に進学をする高校がなくなったことで問題になっているので、こずえちゃんの問題を最優先に…」
「こずえちゃんの問題を最優先にすると言うことは、赤ちゃんのことをないがしろにすると言うことなのね!!」
「赤ちゃんをないがしろにしていません!!」
「しているじゃないのよ!!あんたね!!もうこの際だからボロクソに言わせてもらうけれど、近所のみんなはね!!しゅうかさんのことで思い切りキレているのよ!!」
「思い切りキレているのよって…どういうことなのですか!?」
「しゅうかさん!!時と場合によっては警察署にしゅうかさんをつき出すことも考えているのよ!!」
「ケーサツ…アタシをケーサツにつき出すって!?」
「ええそのつもりよ!!赤ちゃんの泣き声がより強烈になっている原因があるからね!!」
「奥さま!!アタシには何が何なのかさっぱりわかりません…」
「そうやって逃げ回るのもたいがいにしてよね!!」
「逃げ回ってはいません!!」
「逃げ回っているじゃないのよ!!逃げて逃げて逃げて逃げて…逃げ回りつづけていたらそのうちに鹿折(ししおり)で暮らして行くことができなくなるわよ!!それでもいいのかしら!!」

近所の奥さまは、ひと間隔を空けて義母にこう言うた。

「しゅうかさん!!ここ数週間の間にやくざの男のグループがうちの近辺をうろついているので近所の人たちが怖がっているのよ!!あんたがろくでなしのギンゾウとやらしいことしているみたいね!!」
「だから!!どうしてギンゾウさんのことを出してくるのですか!?」
「出したくもなるわよ!!あんた…ギンゾウさんと言うたわね!!ダンナのないがしろにしてまたギンゾウとよりを戻そうとしているみたいね!!」
「違います!!ギンゾウさんとはとっくに別れました!!」
「それじゃあ!!どうしてやくざの男のグループがうちの近辺をうろついているのかしら!?」
「だから!!ギンゾウさんとアタシは別れたから関係ないのです!!」
「あっそう…分かったわ…あんたが関係ないとシラを切りとおすのだったら、考えがあるわよ!!」
「どうなさるおつもりなのですか!?」
「あんたの過去の男のヘンレキを近所中にばらまくわよ!!」
「奥さま!!やめてください!!困りますわ!!」
「なーにがやめてください困りますわよですって…あんたね!!そうやって逃げてばかりいたら…そのうちにさらしものになって、ここで暮らして行くことができなくなるわよ!!それでもいいのね!!しゅうかさんは男グセがわるいようだから、近所中にあんたの男性ヘンレキを言いふらすから…覚悟をしておきなさいよ…」

義母は、近所の奥さまに過去に男がらみのもめ事を他にも起こしていたことを言われたので、頭が大パニックを起こしていた。

この時、家庭内の人間関係はキハクになっていた。
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