私の推しはぬこ課長~恋は育成ゲームのようにうまくいきません!~
「ほかにも高藤から、ちょっとしたアドバイスを受けたんだけど――」

 須藤課長は、もたげていた首を少しだけあげながら、上目遣いで私を見つめる。困惑している感じがまなざしに表れていて、言い出しにくいことなのが自然とわかってしまった。

「どんなアドバイスを受けたんですか?」

 言い出しにくいなら、私が引き出すまで。会話のキャッチボールって大事だと思う。

「その……俺のがデカいから、愛衣さんの体に負担がかかるだろうって」

「うっ! そそそ、それはえーと。確かに充明くんサイズを挿入したことがないので、多少なりとも負担がかかるかもしれませんね」

 ズバっと告げられた内容に、今度は私が困惑した。須藤課長の手ほどきから私の心配まで、高藤さんは本当に優秀というか優しいというか。

「だから最初は俺が挿れないで、愛衣さんが上になって、挿れたらいいんじゃないかと提案されたんだ」

「ぶっ!!」

 須藤課長とのハジメテを、騎乗位でおこなえとの指示が高藤さんからなされたなんて、驚きしかない。

「愛衣さんの体重をうまく利用して挿入したら、少しはマシなんじゃないかって。苦しくなったら、愛衣さんが動きを止めればいいわけだし……」

「ええ、まぁそうですね」

 上擦った私の声が、寝室に妙に響いた。

「やっぱり騎乗位、したことがあるんだ……」

 視線を思いっきり逸らしてポツリと呟いた須藤課長に、「はい、そうですけど」なんて平然と言える神経は持ち合わせていない。

「俺が口にしたことで、誰と騎乗位をしたかまで思い出したんだろうな……」

「…………」

「愛衣さんと付き合った過去の男がどんな人なのか、考えてもしょうがないことくらいわかってるのに、どうしようもなく気にな――」

「くだらないことをブツブツ言ってないで、いい加減にベッドに横になってください!」

「ヒッ!」

 私の怒号で須藤課長は一瞬肩を竦めてから急いで服を脱ぎ、恐るおそるベッドに横たわる。

「私が服を脱ぐ間に、準備してくださいね」

「準備?」

「それとも私が付けましょうか?」

「あああ…そんな、自分でゴムを付けます……」
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