君に恋するのは危なすぎる
「......っきょ......やく......んっ」
わたしは、ぎゅっと強く恭也くんの手を握る。
「......ごめ......っ」
追いかけてきた女の子たちから
逃げた私たちは、
後ろを見てもう居ないことを確認する。
「......詩乃、ごめんな俺「かっこいい人にはかっこいい人の悩みがあるんだねっ......毎日大変そう」
私がそう言うと、恭也くんは
ぷっ、と吹き出して笑った
「......えっ、今わたし
なんかおかしな事言ったかな.....っ!?」
恭也くんは、
わたしを見てクシャッと笑う。
初めて見たこんな笑顔......っ
「詩乃は本当に、可愛いな」
「......っ!?!?!」
初めて見たその笑顔にも、
恭也くんの言葉にも思わず動揺して
固まってしまう。
「......詩乃、こーいうの弱いんだ」
この人はズルい。
わたしが男の子慣れしてないのを
分かって、わざと耳元で囁く。
「詩乃......「キーンコーンカーンコーン」
「......あっ」
私たちは女の子から逃げて裏庭まで来たせいで
1限目スタートの予鈴がなってしまった。
授業、もう始まっちゃったよ......
今日今年最後の学校で
初めての遅刻だぁ......
「......1限サボる?」
「......え」
恭也くんはちょっと悪い顔をして
「だって、2限終業式じゃん?
そっから出ればよくない?」
「......確かに」
わたしがそうボソッと呟くと、
「......んじゃ、詩乃、ついて来て」
そういうと、わたしはまた恭也くんに
手を握られる。