【完】終わりのない明日を君の隣で見ていたい
「……でもその子、付き合って数ヶ月後に亡くなったんだ……。その子が亡くなってから今日まで、あいつは全然立ち直れてない。あいつの心はあの日に縛りつけられたままなんだ」
まるで柳さんのその言葉は、真っ白な呪詛みたいにわたしの心を握りしめた。
ティーカップを見つめたまま言葉を失ったままでいるわたしに気づき、柳さんがはっと我にかえったように、張りつめていた声を崩した。
「ごめんね、やっぱり重かったよね。でもなんでか、君には知っていてほしいと思ったんだ」
柳さんの言葉が気になって顔をあげた、その時だった。
「森下……!」
――ドアが開く音共に、突然、わたしの名前を呼ぶ声が聞こえてきたのは。