猛獣御曹司にお嫁入り~私、今にも食べられてしまいそうです~
「み、三実さん!」
「嫌か?」
「恥ずかしいです!子どもみたい!」
「子ども扱いはしていない。愛しい妻だと思っている」

三実さんが私の首筋に顔を埋めるので、仕方なくされるままになる私。腰に巻きついた腕は力強いし、背中に感じる温度と肩にかかる吐息は心地よくすら感じてしまう。

「ともかく八年前、色々くたびれていた時に会ったのが幾子だったんだ。……ほら、見てごらん」

三実さんがローテーブルに置かれたタブレット端末を手に取る。いつでも使っていいと言われていたけれど、今日まで使用したことがないものだ。
三実さんが端末を起動させ、あるアプリを開く。アルバム用アプリ?

「三実さん、これ……」

私は震える声で三実さんを呼ぶ。動画編集されダイジェストで流れる画像。それらはすべてここ八年の私の写真だった。
中学から高校時代の……そしてこのまま進めれば甘屋デパートに勤めていた頃のものも出てくるだろう。
写真は隠し撮り風のものもあれば、きちんとスナップになっているものもある。

「可愛いだろう。この八年間の幾子のアルバムだ」

さすがにドン引きする私に三実さんがほがらかに言う。

「私のことを見守らせたって、そういえば言ってましたけど……写真まで」
「そうだ。俺の部下は腕がいいだろう?一部は幾子の友人や学校経由で入手した。ツテが少々あってな。ほら、この一枚なんか幾子の麗しさと愛らしさがすべて表現されている。いい写真だ。お気に入りだな」

一ミリも悪気が無さそうだ。爽やかな明るい笑顔で活き活き語ってるもの。
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