きっとシンデレラじゃない
「もし、騎士くんの所で働いたとして…上手く仕事が出来なかったとしたらすぐにクビになるだろう。そしたら、僕は二度と立ち直れる自信がない。」

新しいことを始めるのは、人一倍苦手で不安で、話しながら涙が止まらない。

『優さん、僕はあなたに惚れています。まじめで、弱くて守ってあげたい。僕を信じてはもらえないでしょうか?』

お父さんに似た顔は、すごくキレイでカッコ良くて男の僕からみてもドキリとした。

「惚れている?僕に」

『はい、初めて声をかけた時からです。』

「僕、男。それに、おじさん。」

びっくりしすぎてカタコトになってしまった。

『はい、みたら分かります。』

騎士くんに、優しい目で見つめられ恥ずかしくなる。

『優さん、僕のところで働いてくれませんか?』

膝まづいて、まるで王子様みたいだ。

騎士くんの手をそっと握りかえした。

「よろしければ、ここにサインをお願いします。」

執事から、契約書を渡される。

さらさらと自分の名前を書いた。


契約し終わって、騎士くんの車に乗せられた。
今日から、騎士くんの家に住むらしい。







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