極上パイロットが愛妻にご所望です
「すごいハイテクですね」

「こんなのでいちいち感動する砂羽って、可愛いな」

「っ、桜宮さんっ、やたらと可愛いって言わないでください。反応に困りますから」

 出してくれたスリッパに足を入れ、照れをごまかすようにぶっきらぼうに言うと、彼はクスッと笑う。

「言わないようになるべく制御するよ。砂羽の戸惑う顔も可愛いけど」

「またっ!」

 私が戸惑うのを楽しんでいる。絶対に確信犯だと思う。

「砂羽、おいで」

 廊下を進み、人を感知してポツポツと電気が点いた先に、広々としたリビングがあった。

 一面に窓があって、くすぶっている夜景に雨であることが残念だ。

 私の部屋が五つ以上入りそうなくらい広いリビングは、大きな白いラグジュアリーなソファがあって、家具はブラウンで統一されている。インテリアデザイナーが入ったのだろうかと思ってしまうほど、センスがいい部屋になっていた。

「すごい。さすが最年少機長で、我がAANの御曹司ですね」

 雨でなにも見えない窓へ進み、外へ目を凝らしてみる。それはフリで、私の生活とは桁違いの桜宮さんに、ことさら思い知らされショックを受けていたのだ。

「砂羽」

 持っていたバッグをソファの端に置いた桜宮さんは、窓の近くにいる私に近づくと背後からギュッと抱きしめた。

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