極上パイロットが愛妻にご所望です
 比呂に返事をする余裕がなく、私は朝陽の操縦する旅客機を追っている。見失いそうになるほど遠くを飛行し、目を凝らす。

 そこへ、近くにいた報道の女性キャスターがカメラに向かって「車輪が出た模様」と告げるのを耳にした。

「車輪が……!?」

「砂羽!」

 私と比呂は期待を込めた顔を見合わせた。

『あ、問題のAANの旅客機がやってまいりました! 肉眼でもすべての車輪が出ているのがわかります!』

 女性キャスターはマイクを持ち興奮気味にカメラに向かって伝えている。

 私にも車輪が全輪出ているのが見えた。旅客機は徐々に高度を下げ、着陸態勢に入っていた。

 もう大丈夫だとわかっても不安で、私は両手をギュッと握り、無事に着陸するよう祈る。

 息を呑んで見守る中、機体は優雅に滑走路に着陸した。

 次の瞬間、私は安堵のため息を漏らし、へなへなとその場に座りそうになった。

「砂羽!」

 比呂が私の腕を掴んで支えてくれなければ、みっともなく座り込んでしまっていただろう。

 よかった……神さま、ありがとうございます!

 展望デッキでは辺り一帯、安堵の声と拍手が沸き起こっていた。
 

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