極上パイロットが愛妻にご所望です
 乗客のほとんどは精神的苦痛を受けておらず、三人ほど気分が悪くなっただけだそうで救急車で運ばれたとのこと。

 機長の朝陽は上層部や運輸安全委員会などの対応で忙しいらしい。

 十二時から比呂と共にゲート業務へ移動し、お客さまを搭乗させる。

「砂羽、おひとりまだいらしていないの!」

 比呂が二枚のボードに行き先と便名を書き込み、私たちはそれをもって走り回る。

 私が免税店のレジで見つけ、速やかに案内をして出発時間に間に合わせることができた。

 空腹で走り回り、お客さまを無事に搭乗させると、ぐったりだった。

 お腹が鳴りそうになるのを堪え、ヘロヘロになりながらの退勤時間となった。

 私と比呂は制服のまま食堂へ向かった。一刻も早くお腹を満たさなければ帰宅できそうにないねと、話ながらカウンターに並ぶ。

 私はホッとしたせいかお腹が空いて、ボリュームのあるメニューを選んだ。

 この時間の食堂は意外と混んでいる。これからの業務に向けて、安く食べられる食堂を利用するのだろう。

 整備士の作業服姿の社員もいれば、スーツ姿の人もいる。

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