極上パイロットが愛妻にご所望です
「これからホテルへ行くよ。荷物を置いてから街をブラブラしよう」

「えっ、まだ十一時にもなっていないのに、チェックインするの? アーリーチェックイン?」

 アーリーチェックインとは、既定の時刻よりも早くチェックインをすることだ。そういった場合、支払いが生じると私は聞いている。

「ホテルはAAN系列だから、融通を聞かせてくれるんだ」

「そうなのね。よかった」

「よかったって、なにが?」

 朝陽は軽く首を傾げて私を不思議そうに見る。

「だ、だって、アーリーチェックインは別料金を払うんじゃないかと」

 そう言うと、朝陽は肩をがっくり落としてため息を漏らす。

「そんなことは気にしないでいいって言っただろ。別に支払ったっていいし。でも、本当に金額はかからないから」

「ごめんなさい。なにもかも快適で、余計に心配になるの」

「砂羽……」

 朝陽の右手が私の頬を囲むように触れ、親指の腹で撫でる。その指の動きにうっとりしたところで、ムニュと頬を摘ままれた。

「そうだよな。してもらって当然って女より、砂羽のほうが何十倍も好ましい。だけど、もう気にするな。俺が砂羽になにもかもしてやりたいんだから」

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