極上パイロットが愛妻にご所望です
 翌日は昼間に雪の上を滑走する犬ぞりを体験したり、小さな町を散策したり、スーパーを見つけて買い物などをしていると、寸刻でオーロラ鑑賞の迎えの車がやってくる時間になった。

 残り二日間で、オーロラを見ることができるのか。

 今日の日中、天候はよかったのに、夜になって雲が目立ち始めていた。

 結局、オーロラは出現せずに、二日目が終わってしまった。

 気落ちしている私に「もし今回見られなかったとしても、また連れてきてあげるから落ち込むなよ」と、元気づけてくれる朝陽だ。
 
 そして最終日、お天気は晴天で申し分ない。
 
 迎えの車でいつものようにキャビンへ向かう中、カナダ人の運転手さんが今日は期待大だと教えてくれる。
 
 キャビンに到着しても、中へ入るより外で待ちたいと言う私に朝陽も頷いてくれる。
 
 今日は最終日だから、祈るような気持ちが心を占め、ジッとできないほど落ち着かない。
 
「空気が澄んでいるな」

「うん。見られるといいな……」

 周りを見回すと、数人のツアー客が夜空を眺めているのが、うっすらわかる。それだけ、周りには灯りがないのだ。

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