極上パイロットが愛妻にご所望です
「そうなのね。それじゃ、すぐには無理っぽいわね?」

「久美が城田機長と決めた結婚式だって一年はかかっていたしね。来年できるかどうか。その前に朝陽のご両親に、私が受け入れてもらえるか心配で」

 不安な気持ちを吐露していた。こんなことを話せるのは、他には久美と友莉子しかいない。

「砂羽、もっと自信もって。砂羽は可愛いし、優しいし、お嫁さんとしては一〇〇点よ。大丈夫だって」

 朝陽のご両親に会うことを考えると、今も心臓が口から出そうなほどになるのだから、実際実現したとき、失神してしまいそうだ。

 お腹を空かせていた私たちはロコモコ丼を平らげ、モンブランとコーヒーを食べながら、旅行の話に花を咲かせていた。

 
 大晦日、出国する人々も数日前よりは少なくなったけれど、それでもまだまだ忙しくて、ヘトヘトの私は明日も遅番出勤。

 あと二時間ほどで新年が始まると思うと、浮き立つような気持ちになる。

 空港内をざっと見渡してみれば、出発ロビーはだいぶ閑散としてきていた。

 そのとき、カウンターにいる私の目に、こちらへやってくる朝陽が映る。

 えっ……?

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