極上パイロットが愛妻にご所望です
 今日の彼はオフ。スケジュールが合わないため、会うことを断念していたのだ。

 紺色のロングコートのポケットに手を突っ込み、朝陽は颯爽とした足取りでこちらへ進んでくる。ロングコートから覗くのは細身のデニムだ。

 ファッションモデルが歩いているような姿に、その場にいる女性たちは朝陽に目が釘付けになっている。

 制服を着た朝陽も近寄りがたい雰囲気を醸し出しているけど、カジュアルな私服でもカッコよくて、王子さまと呼ばれるのも納得してしまうほど、気品が窺える。

 嬉しさよりも驚きのほうが大きくて、ぼうっと見とれてしまっていると、朝陽は目の前にやってきた。

「砂羽、終わりだろ? 迎えに来た」

「え? あん、うん」

 ハッとなって我に返り腕時計を確認すると、二十二時。すでに私の担当カウンターは片付け終わっている。

「今日会えるって思っていなかったから、びっくりしたわ」

「一緒に年越ししたいと思って」

「ありがとう。嬉しい」

 公衆の面前でなければ、抱きつきたいくらい嬉しかった。なんといっても十八日ぶりだ。

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