極上パイロットが愛妻にご所望です
「よかった」

 朝陽はフッと極上の微笑みを浮かべると、ちゅっと唇をかすめるようにキスをして、運転席に身体を預ける。

「繁忙期には人員を増やすべきだよな。うちの会社、ブラック企業化してるな」

「ふふっ、もちろん派遣でも増やしてくれればなって思うけど、AANはブラックじゃないよ。でも、どうして来てくれたの? 早朝のフライトじゃ……?」

 今日会えたのは嬉しいけれど、彼の体調に支障をきたさないか心配だ。

「夜に変更になったんだ。砂羽は遅番だろ? これから明日の昼まではふたりだけの時間だ」

 理由を聞き、しかも明日のお昼までは一緒にいられる。朝陽と最高のお正月を迎えられ、私は満面に笑みを浮かべた。

 コーヒーとサンドイッチでお腹は満たされ、眠気に襲われてきた。

「帰ろう。眠ってていいからな」

 朝陽はフットブレーキを解除して、アクセルを軽く踏む。

「でも……」

「疲れきった砂羽を愛せないだろう?」

「も、もうっ」

 私は朝陽の頬を軽く摘まんで恥ずかしさを隠すと、真正面を向いて目を閉じた。

 
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