極上パイロットが愛妻にご所望です
「おめでとう。本当に衝撃を受けたわ。でも、お似合いよ。心からおめでとうを言わせて」

「ありがとう。友莉子、久美。久美の結婚式のサプライズのおかげよ」

 そう言うと、久美は大きく首を左右に振る。

「私のサプライズはほんの少しだけ手伝っただけよ。その前から王子は砂羽のことを知りたがっていたんだから、私が席を隣同士にしなくても王子がアプローチしていたはずだわ」

「砂羽がうらやましすぎる。国内最大手のAANの機長が旦那さまになるなんて」

 友莉子はため息を漏らす。そんな彼女に久美が追い打ちをかける。

「友莉子。王子って、AANの社長の息子なのよ」

 久美の発言にしばし言葉を失った友莉子だ。

「だ、大丈夫? お水を飲んで」

 私は水の入ったグラスを差し出す。彼女は頭をゆっくり横に振って、シャンパンを一気飲みした。

「はあ~、飲まないと、このショックには耐えられないわ」

 久美は笑いながら友莉子のグラスにシャンパンを満たし、私たちのグラスにも注ぐ。

「乾杯しましょう」

「そうよね。砂羽の幸せに!」

 気を取り直した友莉子はにっこり笑顔になり、私たち三人はグラスを重ねた。

「ありがとう」

 大好きなふたりに祝福されて、肩の荷が少し下りた気がした私だった。

< 246 / 276 >

この作品をシェア

pagetop